医療のあり方

昨年暮からお正月にかけては、珍しく患者さんも落ち着いた状態で、やれやれと医院一同胸をなで下ろしました。

年明け早々に飛び込んできたのは、75歳のTさんで、年末から腰が痛く整形外科へ行って治療を受けている患者さんでした。
当医院では内科的な治療で長年受診しており、整形外科は大きな病院で受診していました。

ところが、受診結果は腰の骨がだめで痛みがきており、「三ヶ月間ただ寝ていなさい。」と言う先生の指示で帰ってきたのですが、もう寝ていられないぐらい痛みがひどく、 泣きながら痛みを訴えました。

痛みを我慢することは、時には必要なこともあると思われますが、殆どの場合は悪い影響しか与えません。
腰のヘルニアも、勿論じっとしていれば徐々に治っていくものですが、急性期には、痛みを和らげる治療方法があるのに、なぜしてもらえなかったかのかと本人も不信がり、「私が老人だからしてもらえなかった。」と言ってなげきました。

結局当医院が信頼している整形外科の先生の所で治療をしていただき、3回の通院治療で痛みも30%ぐらいに減り、非常に喜び元気になりました。

大病院では毎日大勢の重病の患者さんが受診し、ヘルニアぐらいでは、面倒な治療をする時間が無いということかもしれません。
しかし患者さんにとっては自分がどんな病気かわかりませんし、もしかしたらガンかも知れないと思い受診する場合もあります。

先生にはこの病気がたいしたことの無い病気であっても、患者にとっては恐ろしい痛みが(この痛みは患った人にしか分からないと思いますが・・・・)現実に起こっているのです。
せめて病気を説明して近くの整形外科で治療を受けるように話すなり、もう少し暖かい心遣いがほしいものです。

今月はもう一人、病気は違いますが同じようなケースがあり、これからの医療のあり方を考えさせられるばかりでした。


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