《インフルエンザの予防》

 
インフルエンザワクチンについて
インフルエンザが如何に恐ろしい病気であるか前記でお分かりのことと思います。
では対策は?   その第一は予防と言うことになりますが、これはご存知の如くワクチンです。

わが国のワクチンの歴史は1962年にさかのぼります。
約30年間学童に集団義務接種体制が取られ、年間約2000万人が接種を受けていました。
しかしその効果についてのデーターが無く、1980年代の後半に前橋市の医師団による、その効果を否定する見解が発表されました。
これをマスコミが大々的に発表し、インフルエンザワクチンは効かないと言う世論が形成されました。
国も1994年に予防接種法を改正し任意接種にしました。
その結果1996年にはワクチン接種者は30万人まで減少しました。

その後、各地でインフルエンザに対する効果の検討が行われ、おおむね良好であり非接種者と比べると、たとえ感染しても軽症例が多いことが報告されはじめました。
また、外国の報告からも、現在のインフルエンザワクチンは発症防止・重症化防止効果は確実で、ワクチン無しにはインフルエンザに対する危機管理は難しい状況です。


接種は65歳以上の高齢者では1回、13歳以上64歳以下の方は原則として2回ですが、近年確実にインフルエンザに罹患していたり、昨年インフルエンザの予防接種を受けている方は、1回接種でも十分な効果が得られると考えられます。
13歳未満の方は2回接種することになっています。

接種不適当者は、発熱を呈している者・急性疾患にかかっている者・本剤の成分でアナフィラキシー(低血圧・蕁麻疹・等、過敏性反応のこと)を呈したことがある者となっています。

また、接種要注意者に該当する者(心・腎・肝・血液疾患を有する者、前回の予防接種で発熱・アレルギーの症状が現れた者、鶏卵・鶏肉等にアレルギーのある者)に付いては各個人について医師が判断をすることになっています。

副作用はまれに見られるものを除けば、注射局所の腫脹・発赤・疼痛が10%前後、発熱が10%前後有るくらいです。

接種当日は過激な運動はさけ、接種部位を清潔に保ち、また、局所の異常反応や体調の変化には注意する。


予防のための一般的注意
インフルエンザが冬季に流行するのは、温度と湿度が低く、しかも換気の悪い部屋にいる頻度が高いためです。
したがってその予防には
  1. うがい、手洗い
  2. 人ごみを避ける
  3. 感染者には出来るだけ近づかない
    やむおえない場合はお互いにマスクをして、気道分泌液を放出、又は吸入しないようにする
  4. 室内換気を十分行う
  5. 室内の加温と加湿 (室温:18〜20℃、湿度:60〜70%)
  6. 睡眠を十分に取り栄養補給につとめること
が大切です。
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