家庭血圧を考える場合、24時間自由行動下血圧測定について触れる必要があります。
これは血圧測定装置を24時間身体につけておき、30分または1時間おきに血圧を測定するものです。
これにより血圧の24時間の変動を知ることが出来ます。
この装置を使用することにより、以下のような情報が得られます。
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【長 所】
- 夜間就寝中の血圧の夜間降圧を知ることができます。
夜間降圧が得られない症例は、下降が得られる症例に比べて臓器障害が高度であり、予後も不良です。
- 早朝昇圧の程度を知ることができます。
高い場合は早朝高血圧といい、このコントロールは心筋梗塞、脳梗塞イベント発症抑制の点から注目されています。
- 白衣現象の診断が容易。
- 全体として、血圧の1日の変動を知ることが出来るので、過度の昇圧や降圧の回避ができ、その結果、降圧薬及び服薬時間の調整により、良好な血圧のコントロールが可能になります。
- 降圧療法の治療効果の判定が出来、しかも診察室血圧より有用であることが報告されています。
- 降圧効果の持続時間を知ることができます。
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【短 所】
- 体位や安静度などの測定条件が同一でありません。
- 30分〜1時間ごとの測定で睡眠障害などのストレスを来たし、血圧に影響を及ぼす可能性があります。
- 健康保険での検査が出来ないことや、測定装置が高価です。
註 : この血圧測定の基準値は、
覚醒時 130/85、 睡眠時 120/75以上
を、高血圧としています。 |