《質問》 胃と舌の関係について説明して下さい。

胃の調子が悪くなると舌が白くなることがあります。
これは舌苔といいます。
寝たきり老人で食事が食べられなくなると、舌の前2/3くらいのところが厚く白い苔で覆われますが、この原因は大部分胃にあると考えてよいと思います。
舌の表面は普通の状態でも白い苔に覆われていますが、食物をかんだりするうちにどんどんとれて、分厚くなることはありません。

この原因を列挙してみます。
  1. 胃の調子が悪く食欲がないため流動食くらいしか取れない場合、苔がこすり落とされず分厚くなる。

  2. 水分摂取も少なくなると舌が乾燥し、苔のこすり落とされる効果が減少する。

  3. 胃の調子が悪い時には、しばしば抗コリン剤といって口が異常に渇く薬が処方され、舌の乾燥をきたし舌苔を生じやすい。

《治  療》
  1. 胃の病気を治す。

  2. うがいで洗浄し、同時に炎症も抑え、口の中をきれいにする。

  3. 可能な限り水分を摂取するようにする。

  4. この変化は悪いものではないということを良く説明することが大切。


舌になんら外見上、異常を見ない舌痛症という病気があります。
これは舌にひりひりとした痛みを来たします。
40歳台、50 歳台の女性に多く、胃障害による口腔内乾燥もいくつかの原因の一つに挙げられています。
 (この原因としては心因性、もしくは精神的疾患による場合が多いといわれています)


舌苔、胃痛症ともに耳鼻科で診断・治療が受けられます。


2003年 3月

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