風 邪 に つ い て
コープ神戸発行の雑誌 『ステーション 12月号』 に、真人先生が風邪についての記事を書かれています。 今回は、その記事から抜粋しました。 |
風邪について
冬は寒くて空気が乾燥しているので、鼻や喉の粘膜も乾きがちで、風邪の原因になる細菌やウィルスが付着しやすく、増殖もしやすくなります。
また、冬期はインフルエンザの流行がありますから、年間を通して冬が一番の風邪の季節です。
風邪の原因は、だいたい80%以上がウィルスによる感染で、あとは細菌です。
原因となる病原体には多くの種類がありますが、だいたい80%以上がウィルスによる感染で、あとは細菌が原因です。
ウィルスや細菌の感染経路
風邪をひいている人がくしゃみや咳をすると、病原菌の混じった分泌物が空気中に飛び散ります。
それを吸入したり、手などについたものが、鼻や咽頭に入り、粘膜に付着して感染します。
粘膜に付着したウィルスは、2〜3分後には増殖をはじめ、潜伏期間を経て、病原性を発揮すると言われています。
風邪の症状
普通の風邪(感冒)では、くしゃみ・鼻水・鼻づまりが主な症状で、喉が痛かったり、からだがだるかったりします。
熱が出ても、ひどい高熱になることは少なく、ごく軽い、いわゆる鼻風邪といわれるようなものが、普通感冒の症状です。
ただし、1週間以上、ずっと咳が続いたり、鼻水や喉の痛みが治まらない時は、風邪とは違う病気が混じっていることがあります。
例えば、喉が痛くて、腫れて、風邪かなと思っていたら、肝臓の病気であったりとか、咳がずっと続くと思っていたら肺がんだったりとか。
1週間以上、風邪のような症状が続くようであれば、ちゃんと受診して、他に異常がないか調べた方がいいでしょう。
インフルエンザの場合は、突然の発熱で、しかも39度以上の高熱、全身の筋肉痛やひどい頭痛があったりします。
もし、インフルエンザであれば、インフルエンザウィルスを抑える薬は、症状が出てから48時間以内に飲まないと効果が出にくいので、高熱がある場合は、なるべく早く受診して下さい。
風邪の症状がでた時に気をつけること
- 普通の風邪では、基本的には温かくして、食事をしっかりとり、安静にしていること。
少し喉が痛ければ、炎症を抑えるような薬を飲むのも良い。
- うがいは、ウィルスや細菌が喉で繁殖するのを防ぐので、予防の時だけではなく、風邪をひいてからも1日5〜6回はしましょう。
- 水分の補給も大事です。症状を一番悪化させるのは、発熱による脱水なので、とくに小さい子供や高齢者は気をつけましょう。 食欲がなく、何も食べられない時は、水分だけでも補充して下さい。 ふつう成人であれば、1日2リットルぐらいは摂取しましょう。(心臓病があるなど、特殊な場合を除く。)
風邪をひかないためには
- 疲れをためないようにして、規則正しく3食きちんと食べ、よく睡眠をとる。 適度な運動も大切です。
- 室内では乾燥に気をつけるとともに、時々換気をする。
- 手洗い、うがい、マスクの着用など。
手を洗った時は、よく乾かす事。 手に残った水分にすぐ菌がつき、増殖するようです。
- できるだけ人混みは避けましょう。
インフルエンザの予防接種について
去年、インフルエンザが大流行するといわれて、実際にはそれほどでもありませんでした。 インフルエンザの予防接種が一般的になってきたことも、大流行にならなかった1つの理由ではないかと言われています。
インフルエンザは、大体10〜15年で新しい型に変わりますが、その変わったときが一番ひどいのです。
新しい型に対して、誰も抗体を持っていないからです。
インフルエンザの予防接種は、インフルエンザウィルスの毒性をなくしたワクチンを少し打つことで、インフルエンザに対する抗体をつくります。
予防接種の時期は大体11月頃です。
接種して2週間位で新しい抗体をつくる機構ができあがり、それからおよそ5ヶ月間有効です。
熱は生体の防御反応
風邪をひいたり、インフルエンザなどの時に熱が出るのは、1つの生体防御反応です。
インフルエンザウィルスは熱に弱いので、自分の体温を上げて、繁殖力を抑えています。
熱がある程度上がってくると、私達医師は解熱剤を出しますが、その目的は熱が出て脱水になり、体力が弱るのを防ぐためです。
ですから、37度台とか38度以下の熱であれば、むしろあまり解熱剤を使わないほうがいいようにも言われています。
簡単に抜粋してありますので、コープ神戸発行の雑誌『ステーション 12月号』 を一読していただけたらと思います。 もう少し、詳しく記載されています。 また、病気のお話『インフルエンザ』 も、参照して下さい。 |
2002年11月
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