C型慢性肝炎はどのようにして診断しますか。。。
血液の検査で簡単にわかります。

【A】 まず、C型肝炎ウイルスの抗体(HCV抗体)の検査をします。

  1. 陰性の場合は、C型肝炎ウイルスに感染していないと判定します。

  2. 陽性の場合は「C型肝炎ウイルスが入ってきて、肝炎にかかっている人」、および「一度はかかったけれども、すでにウイルスは排除されて治ってしまった人」です。
【B】 HCV抗体が陽性の場合で現在ウイルスがいるかどうかは、HCV−RNA検査をすると良いでしょう。
  (これはウイルス感染 1〜2週間後には検出可能)
  1. 陰性ならば、過去にC型肝炎ウイルスに感染したことがあるが、現在は
    C型肝炎ウイルスは排除されたということになります。

  2. 陽性ならば、現在、C型肝炎ウイルスに感染していると判定します。

    • C型肝炎ウイルスに感染していて、GOTやGPTの値いが

      • 高値ならば、C型慢性肝炎

      • 正常ならば無症候性キャリア
         ということになります。

C型慢性肝炎の場合、GOT・GPTの値いは、B型肝炎と比べると低い傾向にあり、ときには正常になったりするので、数回の測定が必要です。


【図】 C型ウイルス検査の流れ (CLEIA法)




C型肝炎ウイルスはどのようにして感染しますか、感染予防は。。。
輸血による感染は40%くらいです。
平成4年以降は、C型肝炎ウイルスの検査法が進歩し、輸血による感染が非常に少なくなりました。
それ以前に輸血を受けた方は、C型肝炎の検査を受けることをお勧めします。

その他は、殆どが医療に関係した感染です。
例えば、注射針・注射器・静脈注射による薬物乱用・刺青・ピアス・鍼治療・などです。
生まれたときの母子感染・性行為感染はごく稀です。


感染予防については、
  • 献血をしない
  • 歯ブラシ、かみそりの共用はしない
  • 皮膚の傷は覆う
  • 月経血、鼻血などは自分で始末する
等、の注意が必要です。



C型慢性肝炎の重症度(進展度)を知るための検査は。。。
C型慢性肝炎の患者さんは肝硬変・肝癌行きの列車に乗っていることになります。
GOT・GPTは列車のスピードと考えられ、以下の検査項目は、終着駅までの距離をある程度示していると考えられます。( )内は肝硬変の疑い。
  • GOT/GPT比 (2.0以上、肝炎は0.6前後)
  • 血小板  (10万/mm3 以下)
  • 血清アルブミン (3.5g/dl 以下)
 その他、ヒアルロン酸、コリンエステラーゼ活性、プロトロンビン時間、コレステロール値等があります。

超音波検査、 CT、肝生検等の検査も総合して重症度の判断をします。


2003年 8月

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